Q. この一年、本当にいろいろあったと思いますが、振り返っていかがでしたか?
「下部ツアーは自分の中では“背水の陣”で挑んだ最初の年でした。でも、自分のゴルフを徹底すればいい成績は出ると思っていたので、それが夏に結果として出てくれて、いい一年になったと思います。」
── 背水の陣、という言葉が印象的ですが、ネットの記事でも少し触れていましたよね。
「そうですね。記事では少し誇張されている部分もありましたけど、事実としてゴルフ以外のこともいろいろ思考に入っていました。それでも、試合に出られる以上は優勝を目指すのが仕事なので。競った場面でも気持ちで負けなかったのかなと思っています。」
── 一番の思いは“大事な人のこと”だったのか、それとも“ゴルフ”だったのか。どちらが大きかったのでしょう?
「どっちもというのが正しいと思います。やっぱりレギュラーツアーで活躍するのが目標。それが無理だと思ったら引くべきだとも思っていました。」
Q. ACNツアーで2勝されました。勝った瞬間の気持ちを改めて教えてください。
「初めて勝った時は実感がなくて。後ろの組を待っている状況だったんですが、水をかけてもらって「本当に勝ったんだな」と感じました。表彰式に出た時に、ようやく1位で終われた実感が湧きましたね。」
── 初優勝のターニングポイントはありましたか?
「伸ばし合いの試合だったんですが、最終日前半のロングホールで、普通入らないような長いイーグルパットが完璧に入って。『今週あるのかな?』と思いました。その後のショートホールでもバーディーが来て、“今日はあるな”と。そのまま伸ばしきって勝てました。」
Q. ノリノリで勝てたと思うんですが、ゾーンに入っていた感覚はありましたか?
「初優勝の時は入っていたと思います。緊張はしていたんですが、パターも入って、怖いくらい冷静でした。最終ホールでリーダーボードを見て緊張しましたが、それまではとにかくバーディーを狙い続けていました。」
── プレッシャーがかかる場面で、落ち着くためにしていたことはありますか?
「特にはないですが、めっちゃこまめに飲み物を飲んでました。緊張すると喉乾くので。夏だったので常に持っていました。」
Q. 優勝を経て、変われたと思う部分はありますか?
「自分を冷静に、客観的に見られるようになりました。目の前の一打に集中するために雑念を減らせるようになったというか。試合中すごく冷静でいられています。」
── 周りの反応は変わりました?
「めっちゃ変わりました(笑)。いじられることも増えましたし、ツアーの方にも認知されるようになりました。優勝ってこんなに変わるんだなと思いました。」
── 大学の仲間や後輩、家族からも連絡が?
「普段あまり連絡を取らないんですが、あの日は異常なくらい連絡が来ました。嬉しかったですね。」